こんばんは。
2.2 / 7.9 ℃ 曇りがち
◇
2月下旬頃、
4歳の娘が、
「にちか、ディズニーランドへ行ってみたい」と。
アトラクションの身長制限が頭を過った私は、
「もうちょっと大きくなってからにしようか?」と。
すると、
娘は真剣な面持ちで背伸びをし始め、
「パパ、にちか、もうこんなに大きくなったよ!」
と熱烈にアピール(私は爆笑)。
仕方なく身長を計測してみると、103cm少々。
ここで私の勘違いが発覚。
アトラクションの身長制限が「120cm以上」だと思っていたけれど、
HPを調べてみると、
正しくは「102cm以上」。
思わず、
「あら、もうどの乗り物にも乗れるんだね」
とこぼすと、
「やったー!」の声。
興奮に小さく釘を刺す様に、
「また、誕生日にでも行こうか」と言うと、
「うん!」との返事。
翌日の夕方、
幼稚園にお迎えに行くと、
何か怪しい雰囲気。
先生に聞いた所、
「ディズニーランドに行く」と、
先走って周りに言って回っていたらしい...。
帰宅して娘に
「どうして言ったの?」と問う。
「ごめんなさい」が返ってくる。
覆水盆に返らず。
もう行くしかないではないか。
3/17
娘と一緒にバスで通勤する。
私は仕事をし、
娘は横で一人で工作したり、
飽きたら私に絡んだりで、
いつもの様に閉店時間までを過ごす。
「さて、帰ろうか」
「うん。帰りもバス?」
「そうだよ。バスまで時間があるから、
松本駅で電車見て帰ろうか?」
「うん。にちか、あずさ大好き!」
松本駅に着き、
「にっちゃん、あずさ乗ってみたい?」
「うん、乗ってみたい!」
「パパ、これからあずさに乗って、
お相撲を見に行こうと思うんだけど、
にちかは松本でお留守番しとく?」
「だめ!一緒に行く!」
「お相撲だよ?」
「にちか、みたけうみ大好き!」
そんなやりとりを重ねてあずさに乗り込む。
娘は駅弁を一生懸命食べ、
まだ着かないのかと愚痴り、
時々相撲の話をし、
まだ着かないのかとまた愚痴り、
やっと船橋着。
ホテルに着くと、
「パパ、晩御飯は食べないの?」と。
「電車の中でお弁当食べたの忘れた?」と尋ねると、
「忘れてた」との返答。
一体どうなっている。
3/18
朝6時、
興奮で早起きしすぎた娘に叩き起こされる。
「パパ、相撲いつ行くの?」
「先ずは、その前に顔を洗ってご飯食べに行こう」
朝食後、
用意を終えて出発。
「にちか、相撲見るの初めて。
たのしみだなぁ!」
娘よ、君には知る由もないだろうけれど、
相撲は大阪でやっているんだ。
もし、
本当の行き先を君に伝えていたら、
会う人会う人に、
「にちか、今からディズニーランドに行く!」
と言って歩くのが目に見えてたから、
「相撲」に置き換えたんだ。
舞浜で電車を降りる。
既に人だかりが始まっている。
「パパ、この人たちも相撲見に行くの?」
「そうだね。相撲人気も凄いね」
「みたけうみ見れるかな?」
「さぁ、どうだろう。見れたら良いね」
駅側の公式ショップで、
娘にミニーちゃんのカチューシャをせがまれる。
スパンコールのキラキラしたやつ。
勿論、それくらいは買ってあげる。
「パパ、みんなディズニーのもの買ってるね」
「本当だね」
「みんなどこ行くのかな?」
流れに吸収される形で歩き続け、
保安検査を通過。
検査官から「楽しんできてください」と声を掛けられる。
開園時間を、
娘を肩車したまま待つ。
完全にディズニーランドを舐めていた。
なんだこの人だかりは。
エントランス上の英語は娘には読めない。
少し先に見えているお城の意味も分からない。
周りの人たちがディズニーフリークみたいな格好をしている意味も、
娘には分かりようがない。
少し不安になった娘から、
「パパ、お相撲はここ?」
そんな訳はない。
いざ開園。
QRコードをスキャンして入園。
娘を肩から下ろして、
「にっちゃん、嘘ついててごめんね。
今日はお相撲じゃないんだ。ここがディズニーランドだよ」
少し間を置いてから、
平坦な「やったー」。
その後、
「にちか、相撲よりディズニーランドが良かった...」
「だから、ここがディズニーランドだよ」
「ここが?ミッキーはどこ?」
それは知らない。
Tさんに教えて貰っていた、
40周年プライオリティーパスで、
一番時間が近いというだけで、
内容を全く知らないスター・ツアーズを予約。
もう一件予約しようとすると、
次に予約できるのは11時以降とのメッセージ。
トゥーンタウンとかファンタジーランドが子供に良さそうとの情報を頼りに、
そちらへ向かって歩き始めると、
「パパ、ここ行ってみたい」とフィルハーマジックへ入館。
3Dゴーグルで観られるちょっとしたアニメーション。
娘は大喜び。
そのまま、
すぐ近くにあったイッツァスモールワールドへ。
のんびりまったり。
娘も一緒に歌ってそこそこの満足。
トゥーンタウンへ向かうと、
ミニーちゃんのお家を発見。
「パパ、にちか行きたい!」とせがまれ、
列に並ぶ。
列には制服姿のJKが溢れている。
ルーズソックスの30年前のギャル系JKと格好は同じ。
膝下までのフェイクファーの靴下のJKも沢山。
髪の毛は色とりどり。
靴はハルタのローファー。
先祖帰り。
JKのスマホの使い方が凄い。
友達と話をしているのか、
スマホを見ているのか、
こちらには全く分からないけど、
みんな同じ様だから、
きっとそれで良いんだろう。
何分かおきに、
インカメにして鏡として自分を入念にチェック。
撮った画像を入念に編集。
暇があれば、
友達とポーズをとって撮影。
持ち歩きプリクラ。
時々TikTok。
私と娘の後ろに、
保守的な感じの女性と大人しそうな5,6歳の娘さんが並んでいたけれど、
お母さんは明らかにJKにまみれて並んでいるのが苦痛な面持ち。
凄い共感。
お互い、娘がこうならない様に陰ながら願ってしまいますよね。
ミニーちゃんのお家で、
撮影に勤しむJKをお構いなしに、
カメラの前を横切る娘をたしなめ続ける。
「パパ、ミニーちゃんのおうち、たのしかった!」
それなら良かった...。
すぐ横のチップとデールのお家は待ち時間ゼロ。
そこも一応体験。
食べ物を調達しに、
レストランのある方向へ。
途上、
「パパ、にちか、お城に入りたい」
とシンデレラ城のラインに並ぶことに。
強風が吹き荒れる中、
モザイク画を眺め続けて寒さを忘れようとする。
終日、
娘は基本的に「だっこ」を要求。
差し色的に「肩車」。
強風は止む気配もなく、
ただただ無慈悲に吹き荒れ続ける。
誰かがモザイク画のある回廊でポップコーンの容器を落とす。
ポップコーンは機敏な生き物みたいに回廊を走り抜ける。
だっこしていた娘が眠り始める。
「もうすぐだから起きて降りて」と声を掛けると、
「降りたくない!もうお城にも入りたくない!」と。
娘よちょっと待て、
順番はもう目の前だ。
前に並んでいた台湾からの家族連れの方が、
娘に台湾のアーモンドチョコレート2粒をくれる。
娘は無言で両方を食べる。
「ありがとうは?」と言うと、
モゴモゴしたまま小声で「ありがとう」と。
シンデレラ城で再び気を取りなおした娘。
だけど、
シンデレラ城に立ち寄った事で、
ランチのハイタイムを迎えてしまった事には気づかない。
仕方なく、
ハンディーな食べ物を買って表で食べる。
そのまま、
予約していたスターツアーズへ。
あぁ、スターウォーズなんだ。
娘には「宇宙旅行」とだけ伝える。
私も何も知らないので、
他に伝えられることがない。
プライオリティーパスのお陰で、
並ぶ時間は少なく済んだ。
いざ乗り込んでみると、
なかなかのスリルのアトラクションだった。
それが終わって席を立つ段階になって、
「パパ、にちか怖かった」と泣き出す娘。
「そっかそっか。とりあえず出よう」
娘を抱き上げて乗り物から下りる。
出会うキャストの方に都度都度、
「怖かったけど大丈夫だった!」と強がる娘。
そこからは、
乗りたいというティーカップに乗ったりし、
少しゆったり過ごす。
どこにでもありそうな遊具で、
とても熱中して遊ぶ娘。
結局、これで良かったんじゃない?
その後、
近くのゴーコースター(短めのジェットコースター)へ。
そこそこスリルがあって、
それでも楽しくて。
ジェットコースターから降りて、
「怖くなかった?」と娘に尋ねると、
「ぜんぜん怖くなかった」と。
同時に両目から一筋流れ落ちて、
思わずこちらは笑ってしまう。
涙を拭ってあげる。
それでもキャストの方に、
「にちか、全然怖くなかったよ!」と大声で。
のんびりとあちらこちらを歩きながら、
お店に入ったり、
何かを齧ったり。
予定を詰め込みすぎる必要もないんだし。
「パパ、ミッキーいないね」
「本当だね」
風を避けるためにまたお店に入る。
「パパ、ミッキーのぬいぐるみ買ってちょうだい!」
「あとでね」
「パパ、約束だよ!」
「分かった」
「パパ、ちゃんと覚えててね!」
そのまま、
プライオリティーパスで予約していたスペースマウンテンへ。
パスって凄い。
待ち時間が殆ど苦痛にならないレヴェル。
「心臓の弱い人には不向き」とのアナウンスが再三流れる中、
スターツアーズ、ゴーコースターと場数を踏んできた娘とチャレンジ。
スペースマウンテン、
乗ってると脳みそ全体から激しくアラートが出ている感じがして、
脳みその形が分かりませんか?
ずっと娘の手を握っていて、
降りてから尋ねてみた所、
「にちか、怖かった」
「そうかそうか。でも凄いね、泣かないし」
「うん。パパ、ミッキー買いに行こ!」
凄い、ミッキー。
娘の好みのミッキーとミニーを探してお店を梯子していると、
「パパ、もうプーさんで良いよ」と。
「あれ、さっきまでミッキーって言ってなかった?」
「もうプーさんで良い」
そしてプーさんを手にして一緒にレジに向かおうとすると、
「やぱりそのプーさんはいやだ」と。
次に入ったお店で、
ミッキーとドナルドのぬいぐるみを手に、
おままごとを始めた娘。
「それで良いの?」
「これが良い!」
「ミニーちゃんは?」
「いらない」
「?、本当に?」
「いらない」
「ミニーちゃんも探してたじゃん?
じゃぁパパが買っておこうかな」
「良いよ」
連れが3体増。
その後、
パレードまでの時間を、
ジャングルクルーズや機関車に乗ったりして過ごす。
辺りも暗くなり、
帰りの混雑も気になったので、
キャストの方に「パレードはどこで見たら良いですか?」
と尋ねてみる。
「パレードは強風で中止になりました」
との答えが返ってくる。
そうか、
強風でキャラクターは表に一体も出てこなかったんだ。
そりゃ、
あれだけ大きければ頭に掛かる風圧はかなりだろうし、
万が一にも頭が飛んでしまったら、
来園者の夢を打ち砕いてしまうだろうし。
ショーは悉く抽選に外れ、
娘は動くミッキーにもミニーにも会えずに退園。
帰りのJRは強風の為か遅延。
それを待っている間に、
だっこしていた娘は入眠。
満員に近い電車に乗って、
乗り換えて、
なんとかホテルのある駅へ。
流石にホテルまでは歩いて欲しかったけれど、
「パパ、ホテルまで肩車して」と。
仕方なく、肩車してホテルまで歩く。
途中のコンビニでお弁当を買う。
ホテルに着くと、
娘はフロントの方に、
ディズニーランドに行ってきたことを高らかに告げ、
新しいお友達のミッキーとドナルドもちゃんと紹介する。
ご飯を食べ、
お風呂に入ると、
娘はスコーンと眠りに落ちる。
私も暫くして眠りに落ちる。
4歳児と訪れた夢の国は体力勝負だった。
3/19
起床すると腰が痛い。
足の付け根も痛い。
昨日の終日だっこ&肩車のお陰だろうと思う。
運動系の部活動の厳しい練習の翌日みたいな痛み。
娘を起こして朝食を食べに行く。
勿論、
娘はスタッフの方々にディズニーランドの話をする。
ご飯を食べ、少しゆっくりして、
チェックアウトする。
JRで新宿まで出る。
地理的なことや私自身の経験をあれこれ伝えるけど、
娘はあまり理解していそうにはない。
新宿駅で駅弁を買う。
ついでに、
ピカチュー柄の東京ばな奈を買う。
あずさに乗って、
甲府あたりで駅弁を食べ始める。
食べ終えると、
娘はそのまま眠りに落ちる。
松本まで膝枕で眠らせてあげる。
「まーつもとー、まーつもとー」
少し物寂しいあの声に迎えられながら、
松本駅に降り立つ。
激しい2泊3日が無事に終わる。
帰宅して、
「パパ、ミッキーとドナルドとミニーで遊ぼうよ!」
とおままごとに誘われる。
「パパはアンパンマンね!」
新旧の旧の方があてがわれる。
4歳の記憶がどれだけ残るかは分からないけれど、
それはそれで良いのだとも思う。
個人的には、
別に「行きたい」と思う場所でもないけれど、
連れて行ってあげるのもどちらにとっても一つの経験だろう。
娘は父親を乗りものにしながら楽しんだし、
お陰で父は見事に疲れ果てることができたんだし。
それはそれで、
どちらにとっても幸せなことかも知れない。
たとえ、
父の頭の中で流れていたのがこの曲だとしても。
SIMON
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