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長野県松本市 ユニセックス セレクトショップ Simon's&co.(サイモンズ&コー.)

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2024年3月20日水曜日

TDL


こんばんは。

2.2 / 7.9 ℃  曇りがち


2月下旬頃、
4歳の娘が、
「にちか、ディズニーランドへ行ってみたい」と。
アトラクションの身長制限が頭を過った私は、
「もうちょっと大きくなってからにしようか?」と。
すると、
娘は真剣な面持ちで背伸びをし始め、
「パパ、にちか、もうこんなに大きくなったよ!」
と熱烈にアピール(私は爆笑)。
仕方なく身長を計測してみると、103cm少々。
ここで私の勘違いが発覚。
アトラクションの身長制限が「120cm以上」だと思っていたけれど、
HPを調べてみると、
正しくは「102cm以上」。
思わず、
「あら、もうどの乗り物にも乗れるんだね」
とこぼすと、
「やったー!」の声。
興奮に小さく釘を刺す様に、
「また、誕生日にでも行こうか」と言うと、
「うん!」との返事。

翌日の夕方、
幼稚園にお迎えに行くと、
何か怪しい雰囲気。
先生に聞いた所、
「ディズニーランドに行く」と、
先走って周りに言って回っていたらしい...。

帰宅して娘に
「どうして言ったの?」と問う。
「ごめんなさい」が返ってくる。

覆水盆に返らず。
もう行くしかないではないか。

3/17

娘と一緒にバスで通勤する。
私は仕事をし、
娘は横で一人で工作したり、
飽きたら私に絡んだりで、
いつもの様に閉店時間までを過ごす。

「さて、帰ろうか」
「うん。帰りもバス?」
「そうだよ。バスまで時間があるから、
松本駅で電車見て帰ろうか?」
「うん。にちか、あずさ大好き!」

松本駅に着き、
「にっちゃん、あずさ乗ってみたい?」
「うん、乗ってみたい!」
「パパ、これからあずさに乗って、
お相撲を見に行こうと思うんだけど、
にちかは松本でお留守番しとく?」
「だめ!一緒に行く!」
「お相撲だよ?」
「にちか、みたけうみ大好き!」

そんなやりとりを重ねてあずさに乗り込む。

娘は駅弁を一生懸命食べ、
まだ着かないのかと愚痴り、
時々相撲の話をし、
まだ着かないのかとまた愚痴り、
やっと船橋着。

ホテルに着くと、
「パパ、晩御飯は食べないの?」と。
「電車の中でお弁当食べたの忘れた?」と尋ねると、
「忘れてた」との返答。

一体どうなっている。

3/18

朝6時、
興奮で早起きしすぎた娘に叩き起こされる。
「パパ、相撲いつ行くの?」
「先ずは、その前に顔を洗ってご飯食べに行こう」

朝食後、
用意を終えて出発。
「にちか、相撲見るの初めて。
たのしみだなぁ!」

娘よ、君には知る由もないだろうけれど、
相撲は大阪でやっているんだ。
もし、
本当の行き先を君に伝えていたら、
会う人会う人に、
「にちか、今からディズニーランドに行く!」
と言って歩くのが目に見えてたから、
「相撲」に置き換えたんだ。

舞浜で電車を降りる。
既に人だかりが始まっている。
「パパ、この人たちも相撲見に行くの?」
「そうだね。相撲人気も凄いね」
「みたけうみ見れるかな?」
「さぁ、どうだろう。見れたら良いね」

駅側の公式ショップで、
娘にミニーちゃんのカチューシャをせがまれる。
スパンコールのキラキラしたやつ。
勿論、それくらいは買ってあげる。
「パパ、みんなディズニーのもの買ってるね」
「本当だね」
「みんなどこ行くのかな?」

流れに吸収される形で歩き続け、
保安検査を通過。
検査官から「楽しんできてください」と声を掛けられる。
開園時間を、
娘を肩車したまま待つ。
完全にディズニーランドを舐めていた。
なんだこの人だかりは。

エントランス上の英語は娘には読めない。
少し先に見えているお城の意味も分からない。
周りの人たちがディズニーフリークみたいな格好をしている意味も、
娘には分かりようがない。
少し不安になった娘から、
「パパ、お相撲はここ?」

そんな訳はない。

いざ開園。
QRコードをスキャンして入園。

娘を肩から下ろして、
「にっちゃん、嘘ついててごめんね。
今日はお相撲じゃないんだ。ここがディズニーランドだよ」
少し間を置いてから、
平坦な「やったー」。
その後、
「にちか、相撲よりディズニーランドが良かった...」
「だから、ここがディズニーランドだよ」
「ここが?ミッキーはどこ?」

それは知らない。


Tさんに教えて貰っていた、
40周年プライオリティーパスで、
一番時間が近いというだけで、
内容を全く知らないスター・ツアーズを予約。
もう一件予約しようとすると、
次に予約できるのは11時以降とのメッセージ。


トゥーンタウンとかファンタジーランドが子供に良さそうとの情報を頼りに、
そちらへ向かって歩き始めると、
「パパ、ここ行ってみたい」とフィルハーマジックへ入館。
3Dゴーグルで観られるちょっとしたアニメーション。
娘は大喜び。

そのまま、
すぐ近くにあったイッツァスモールワールドへ。
のんびりまったり。
娘も一緒に歌ってそこそこの満足。


トゥーンタウンへ向かうと、
ミニーちゃんのお家を発見。
「パパ、にちか行きたい!」とせがまれ、
列に並ぶ。
列には制服姿のJKが溢れている。
ルーズソックスの30年前のギャル系JKと格好は同じ。
膝下までのフェイクファーの靴下のJKも沢山。
髪の毛は色とりどり。
靴はハルタのローファー。
先祖帰り。

JKのスマホの使い方が凄い。
友達と話をしているのか、
スマホを見ているのか、
こちらには全く分からないけど、
みんな同じ様だから、
きっとそれで良いんだろう。
何分かおきに、
インカメにして鏡として自分を入念にチェック。
撮った画像を入念に編集。
暇があれば、
友達とポーズをとって撮影。
持ち歩きプリクラ。
時々TikTok。

私と娘の後ろに、
保守的な感じの女性と大人しそうな5,6歳の娘さんが並んでいたけれど、
お母さんは明らかにJKにまみれて並んでいるのが苦痛な面持ち。
凄い共感。
お互い、娘がこうならない様に陰ながら願ってしまいますよね。

ミニーちゃんのお家で、
撮影に勤しむJKをお構いなしに、
カメラの前を横切る娘をたしなめ続ける。


「パパ、ミニーちゃんのおうち、たのしかった!」
それなら良かった...。

すぐ横のチップとデールのお家は待ち時間ゼロ。
そこも一応体験。

食べ物を調達しに、
レストランのある方向へ。
途上、
「パパ、にちか、お城に入りたい」
とシンデレラ城のラインに並ぶことに。
強風が吹き荒れる中、
モザイク画を眺め続けて寒さを忘れようとする。
終日、
娘は基本的に「だっこ」を要求。
差し色的に「肩車」。

強風は止む気配もなく、
ただただ無慈悲に吹き荒れ続ける。
誰かがモザイク画のある回廊でポップコーンの容器を落とす。
ポップコーンは機敏な生き物みたいに回廊を走り抜ける。

だっこしていた娘が眠り始める。
「もうすぐだから起きて降りて」と声を掛けると、
「降りたくない!もうお城にも入りたくない!」と。
娘よちょっと待て、
順番はもう目の前だ。

前に並んでいた台湾からの家族連れの方が、
娘に台湾のアーモンドチョコレート2粒をくれる。
娘は無言で両方を食べる。
「ありがとうは?」と言うと、
モゴモゴしたまま小声で「ありがとう」と。


シンデレラ城で再び気を取りなおした娘。
だけど、
シンデレラ城に立ち寄った事で、
ランチのハイタイムを迎えてしまった事には気づかない。

仕方なく、
ハンディーな食べ物を買って表で食べる。

そのまま、
予約していたスターツアーズへ。

あぁ、スターウォーズなんだ。
娘には「宇宙旅行」とだけ伝える。
私も何も知らないので、
他に伝えられることがない。

プライオリティーパスのお陰で、
並ぶ時間は少なく済んだ。
いざ乗り込んでみると、
なかなかのスリルのアトラクションだった。
それが終わって席を立つ段階になって、
「パパ、にちか怖かった」と泣き出す娘。
「そっかそっか。とりあえず出よう」
娘を抱き上げて乗り物から下りる。
出会うキャストの方に都度都度、
「怖かったけど大丈夫だった!」と強がる娘。

そこからは、
乗りたいというティーカップに乗ったりし、
少しゆったり過ごす。

どこにでもありそうな遊具で、
とても熱中して遊ぶ娘。

結局、これで良かったんじゃない?


その後、
近くのゴーコースター(短めのジェットコースター)へ。
そこそこスリルがあって、
それでも楽しくて。
ジェットコースターから降りて、
「怖くなかった?」と娘に尋ねると、
「ぜんぜん怖くなかった」と。
同時に両目から一筋流れ落ちて、
思わずこちらは笑ってしまう。
涙を拭ってあげる。

それでもキャストの方に、
「にちか、全然怖くなかったよ!」と大声で。

のんびりとあちらこちらを歩きながら、
お店に入ったり、
何かを齧ったり。
予定を詰め込みすぎる必要もないんだし。

「パパ、ミッキーいないね」
「本当だね」

風を避けるためにまたお店に入る。
「パパ、ミッキーのぬいぐるみ買ってちょうだい!」
「あとでね」
「パパ、約束だよ!」
「分かった」
「パパ、ちゃんと覚えててね!」

そのまま、
プライオリティーパスで予約していたスペースマウンテンへ。
パスって凄い。
待ち時間が殆ど苦痛にならないレヴェル。
「心臓の弱い人には不向き」とのアナウンスが再三流れる中、
スターツアーズ、ゴーコースターと場数を踏んできた娘とチャレンジ。

スペースマウンテン、
乗ってると脳みそ全体から激しくアラートが出ている感じがして、
脳みその形が分かりませんか?

ずっと娘の手を握っていて、
降りてから尋ねてみた所、
「にちか、怖かった」
「そうかそうか。でも凄いね、泣かないし」
「うん。パパ、ミッキー買いに行こ!」

凄い、ミッキー。

娘の好みのミッキーとミニーを探してお店を梯子していると、
「パパ、もうプーさんで良いよ」と。
「あれ、さっきまでミッキーって言ってなかった?」
「もうプーさんで良い」
そしてプーさんを手にして一緒にレジに向かおうとすると、
「やぱりそのプーさんはいやだ」と。

次に入ったお店で、
ミッキーとドナルドのぬいぐるみを手に、
おままごとを始めた娘。
「それで良いの?」
「これが良い!」
「ミニーちゃんは?」
「いらない」
「?、本当に?」
「いらない」
「ミニーちゃんも探してたじゃん?
じゃぁパパが買っておこうかな」
「良いよ」

連れが3体増。

その後、
パレードまでの時間を、
ジャングルクルーズや機関車に乗ったりして過ごす。

辺りも暗くなり、
帰りの混雑も気になったので、
キャストの方に「パレードはどこで見たら良いですか?」
と尋ねてみる。
「パレードは強風で中止になりました」
との答えが返ってくる。

そうか、
強風でキャラクターは表に一体も出てこなかったんだ。
そりゃ、
あれだけ大きければ頭に掛かる風圧はかなりだろうし、
万が一にも頭が飛んでしまったら、
来園者の夢を打ち砕いてしまうだろうし。

ショーは悉く抽選に外れ、
娘は動くミッキーにもミニーにも会えずに退園。

帰りのJRは強風の為か遅延。
それを待っている間に、
だっこしていた娘は入眠。

満員に近い電車に乗って、
乗り換えて、
なんとかホテルのある駅へ。
流石にホテルまでは歩いて欲しかったけれど、
「パパ、ホテルまで肩車して」と。
仕方なく、肩車してホテルまで歩く。
途中のコンビニでお弁当を買う。
ホテルに着くと、
娘はフロントの方に、
ディズニーランドに行ってきたことを高らかに告げ、
新しいお友達のミッキーとドナルドもちゃんと紹介する。

ご飯を食べ、
お風呂に入ると、
娘はスコーンと眠りに落ちる。
私も暫くして眠りに落ちる。

4歳児と訪れた夢の国は体力勝負だった。


3/19

起床すると腰が痛い。
足の付け根も痛い。
昨日の終日だっこ&肩車のお陰だろうと思う。
運動系の部活動の厳しい練習の翌日みたいな痛み。

娘を起こして朝食を食べに行く。
勿論、
娘はスタッフの方々にディズニーランドの話をする。

ご飯を食べ、少しゆっくりして、
チェックアウトする。

JRで新宿まで出る。
地理的なことや私自身の経験をあれこれ伝えるけど、
娘はあまり理解していそうにはない。

新宿駅で駅弁を買う。
ついでに、
ピカチュー柄の東京ばな奈を買う。

あずさに乗って、
甲府あたりで駅弁を食べ始める。
食べ終えると、
娘はそのまま眠りに落ちる。
松本まで膝枕で眠らせてあげる。

「まーつもとー、まーつもとー」

少し物寂しいあの声に迎えられながら、
松本駅に降り立つ。

激しい2泊3日が無事に終わる。

帰宅して、
「パパ、ミッキーとドナルドとミニーで遊ぼうよ!」
とおままごとに誘われる。
「パパはアンパンマンね!」
新旧の旧の方があてがわれる。

4歳の記憶がどれだけ残るかは分からないけれど、
それはそれで良いのだとも思う。
個人的には、
別に「行きたい」と思う場所でもないけれど、
連れて行ってあげるのもどちらにとっても一つの経験だろう。
娘は父親を乗りものにしながら楽しんだし、
お陰で父は見事に疲れ果てることができたんだし。
それはそれで、
どちらにとっても幸せなことかも知れない。

たとえ、
父の頭の中で流れていたのがこの曲だとしても。


SIMON

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