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長野県松本市 ユニセックス セレクトショップ Simon's&co.(サイモンズ&コー.)

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2011年7月24日日曜日

What were you doing when you were 25 years old ?

こんにちは。今回は少し長文です。時間がある時にお読み下さい。




25歳の時、何をしていましたか?

私は、大阪で営業の仕事をしていました。
従事していながら、どことなく自分の仕事に胡散臭さを感じていました。
しかし私の世代は「第一次就職氷河期」に属し、
周りでまともに就職出来たのはほんの一握り。
誰もが、第一志望とはかけ離れた仕事に就かざるを得ませんでした。
今は昔、ですが。

25歳

今年の春、Hender Schemeの取扱いを考え始め、
デザイナーの柏崎氏にお会いしました。
その後、今一度柏崎氏の元にお邪魔し、
靴の製法やレザー等についてお話を伺いました。
靴の話、レザーの話になると、専門的な単語が次々と飛び出し、
正直付いて行けない所も少々ありましたが、
それ以外の彼の印象は、終止「落ち着いている」という感じでした。
話が進むにつれ、日本の靴づくりについて、
職人についての現状を垣間みる事が出来ました。

「あの人たち(職人さん)、どうやって飯食ってるんだろう」

ぽつりと柏崎氏がつぶやいたのを、今でも覚えています。
そんな職人さんたちを可能な限り守りたい。
そこまで及ぶ柏崎氏の意識に、ただただ感嘆するのみでした。

低賃金で、稼ぎにならない。飯を食えない。
だから息子たちには継がせたくない。
これらは、第一次・第二次産業において良く
耳にする(けれど、本当は耳にしたくない)言葉です。

それは、靴づくりの職人さんたちも同じ。
年齢的な理由もありますが、金銭的な理由で辞めてしまう人も
おられ、貴重な技術や部品も少なからず姿を消しています。
海外で低賃金でつくられる安価な靴が、日本の職人さんを
圧迫しているのは紛れも無い事実です。
同時に、「安さ」につられてそれらを喜んで購入した(あるいはしている)
消費者である我々もそれを助長したとも言えます。
そして、駄目になったら簡単に捨てる。
その様に割り切れるのは、物の扱い方を忘れた我々の「退化」かも知れません。

靴づくりの職人さんも「空洞化」を起こしており、現在の
熟練した職人さんたちが今後5〜10年後には、その殆どが
年齢的な理由から辞めて行く事が予想されます。
今、靴づくりに従事しいる若年層は30代半ば〜20代前半であり、
30代後半〜60代位がかなり少ないのだそうです。
「このままだったら5年後、10年後は靴をつくれているか分からない」
という柏崎氏の言葉が、余りにも淡々としていたのが印象的でした。
変える事の出来ない事実をそのままに受け止める冷静さ。
勿論、どうにかする術を考えているとは思いますが。

25歳のクリエイター。
そんなに珍しい事では無いかも知れません。
年齢に関係なく、高邁な意識を胸に抱きながらも
それを「売り」にしない、柏崎氏の姿勢は素晴らしいと思います。
背景に何があろうと、評価されるのは作品であるべきですしね。
まぁ、アイロニーが感じられる作品もあったり、
どうも一筋縄では収まらなさそうですが(笑)。
これからも、彼のつくる作品からは目が離せそうにありません。

「ものづくりの国 日本」を支えているのは
国家ではなく、規模の大小を問わずに
自力で踏ん張っている人たちです。

長々と書きました。明日から、また犬の漫才師に戻ります。

POSTED BY SIMON



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